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抗酸化作用について

  • blueboxantiagingfa
  • 2023年10月5日
  • 読了時間: 5分

更新日:2023年10月12日




人の体はおよそ60兆個の「細胞」から構成されており、同一の形態や機能を持った細胞の集まりが”組織”を作り、その組織が更に集まることで体の”器官(臓器)”を構成しています。


個人的に日頃の行動は脳が処理して体が動くとつい意識しがちですが、60兆個もの細胞のお陰で活動していると考えてみると、スケールがデカすぎて脳がフリーズします。。。


そして、人の細胞は体調が不調な日に限らず『酸化ストレス』から絶えず攻撃を受けながら毎日を送っています。この酸化ストレスによる人体への影響は大きく、酸化により細胞が傷つけられる事が”老化”の原因になったり、”免疫力の低下”や”癌”などの生活習慣病のリスクにつながっていきます。



CONTENTS













酸化ストレス

体の器官を構成する細胞自体は、様々な「分子」が集まって作られます。その分子構造の中には「電子」が含まれており、通常2つの電子が1組(ペア)になる構造で安定した状態となっています。 逆にペアになれず単体(シングル)でいる電子は不安定な状態となり、このシングルな電子を『フリーラジカル』と呼びます。


フリーラジカルの電子は安定した状態になるために、周りに存在する分子からペア電子の相方を奪いペアになります。そうすると引き裂かれてシングルになってしまった電子(フリーラジカル)は新たに別の分子にいるペア電子に同じ事をします。そうなると…の繰り返しが毎日行われています。


不安定なシングル電子が別の分子にいる電子を不安定にさせてしまう事は、生命活動に欠かせない細胞やタンパク質およびDNAに損傷を与えてしまうことになります。この症状が「酸化ストレス」です。



活性酸素とフリーラジカルは有害?

人の体は日頃、栄養素を分解しエネルギーを作る過程でフリーラジカルを生成します。直接の危害は少ないものの、加齢と共に癌の発生リスクが高まる要因の1つと言われています。


また呼吸をする際、体内で消費しきれなかった酸素も『活性酸素』となります。これもフリーラジカルと同様で不安定であり、様々な物質と反応する性質があります。 活性酸素は反応性が高い酸素分子でもあり、体内の脂質と結合し有害な過酸化脂質の生成に関与しています。


しかし、活性酸素とフリーラジカルは単に人体を劣化させる有害物質なだけではありません。

免疫細胞はフリーラジカルを使用し感染症と戦うなど健康に必要な機能を果たします。 また、活性酸素は生きる為に必要なエネルギーを生産したり、侵入した異物への攻撃・不要な細胞の処理作業・細胞の情報伝達など様々な機能に利用されていたりと、一言で有害と言い切ることが難しいのです。

活性酸素とフリーラジカルによる体への悪影響と、これに対する抵抗力(抗酸化作用)の差を一定のバランスに維持する事が健康の為に重要になるのです。


尚、スタンフォード大学の研究によるとフリーラジカルを生成する物質は過度なストレスや不健康な生活バランスのほかに、揚げ物などの食品や服薬・アルコール・飲料水・タバコの煙・農薬・大気汚染物質などが挙げられています。


どの要因も現代社会を生きる人間にとっては全てを完全に避ける事は中々難しいですよね。。。



抗酸化物質

地球上に存在する生物は『酸素』の存在下で進化し現代まで適応してきました。 そのため、人や動物・植物など全ての生命体はフリーラジカルや活性酸素を抑えるための独自の抗酸化物質を生成し、細胞の損傷を回避する力を持っています。


したがって、抗酸化物質は植物および動物由来のすべての食品に含まれており、特に野菜や果物などの色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分(ファイトケミカル:phytochemical)の多くが、有効的な抗酸化物質として機能しています。


多くの研究ではこれらの栄養素が体内で細胞や組織の損傷を抑制する可能性が高いことから、野菜や果物を多く摂る食生活(抗酸化物質の多様性)が、癌や多くの病気リスクの低下へ導く理由の1つと言われています。

手軽に飲食出来る物ではベリー系の果物や、コーヒー・ダークチョコレート・紅茶などは優れた抗酸化物質の供給源であると言われています。


尚、抗酸化物質の摂取は健康のために不可欠ですが、多ければ良いとは限りません。過剰摂取は毒性作用をもたらす可能性があり、酸化的損傷を逆に促進させてしまう可能性があります。


また、研究によると抗酸化サプリメントで食事を補うだけよりも、ファイトケミカル豊富な野菜や果物を食べる方が酸化的損傷を大幅に軽減している結果が出ているようです。 抗酸化物質に有効な栄養素はビタミンC・ビタミンE・グルタチオン・ビタミンA・ベータカロチン・アントシアニジン・ビリルビン・尿酸・フラボノイド・紅茶のエピガラカテキン-3-ガレート(EGCG)などで、特に重要な栄養素はビタミンE・ビタミンC・グルタチオンの3つになります。


グルタチオンは活性酸素種による損傷に対する最も重要な細胞内防御である可能性があり、ビタミンEは主要な脂溶性抗酸化剤であり、酸化的損傷から膜を保護する上で重要な役割を果たします。

ビタミンCまたはアスコルビン酸は水溶性の抗酸化物質であり、様々な供給源からのフリーラジカルを減少することが発見されています。またビタミンEラジカルのリサイクルにも関与しているようですが、特定の状況下で酸化促進剤としても機能するようなので過度な摂取は控えたほうが良さそうです。





野菜・果物を食べて規則正しい生活を

体に損傷を与えるイメージの活性酸素とフリーラジカルも実は健康を担っている事や、電子が細胞の損傷を齎しているということも興味深いですよね。


そして、抗酸化物質の豊富なファイトケミカルを摂取すること。規則正しい生活、ストレスフリーな生活を心がける事が老化や病気を遠ざける手段であることも納得です。


年を重ねるにつれて増幅するこれらのリスクとは切っても切れない関係である以上、最適なバランスを保つ工夫を楽しみながら出来ればイイなぁ。と思いました。



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