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ハイドロゾル(芳香蒸留水)の効果

  • blueboxantiagingfa
  • 2023年10月5日
  • 読了時間: 9分

更新日:2023年10月12日



DIYや水洗いの作業時や、乾燥して寒い時期になると、手荒れやひび割れ、ささくれができることがよくあります。


その都度、市販の乳液やオイルを塗って対処していたのですが、どうも手を洗う癖が多かったり、手が油っぽい事を嫌う性分で、何かサラサラしている良いもの無いかな?と探していました。


そんな時にローズマリーから精油を抽出した際に一緒に作られるハーブウォーターを使ってみたところ、カチッと理想にハマりました。


手や肌はサラサラしているのに肌はあまり乾燥していない事や、フワっと植物の香りもするので、野菜を切る時もあまり気にならなかったり、手が乾燥してきたと思ったら霧吹きを使ってとても便利です。


「ハーブウォーターってイイなぁ。」と思い調べた所、正式名は『ハイドロゾル』と呼ばれているんですね。


今回はハイドロゾルについて調べてみたので共有しますね。 [参照:Timeless Edition]




CONTENTS
















ハイドロゾル(芳香蒸留水)とは?

ホーリーバジルやタイム、ローズマリーなどのハーブや、サンダルウッド(白檀)やシダーウッド(ヒマラヤ杉)、パイン(松)などの香料植物を水蒸気にあてて、その後冷やす事で脂溶性と水溶性の2層の液体が抽出されます。


このうちの脂溶性のある液体は精油(エッセンシャルオイル)で、水溶性のある薄く白濁した液体がハイドロゾル(芳香蒸留水)と呼ばれています。


少し前まではハイドロゾルは精油を抽出する際に一緒に生まれる副産物としての見解が多かったのですが、近年の研究によってハイドロゾルにも多くの植物の成分が含まれており、様々な治癒特性および美容的利点に役立つ安全で有効性のある液体である事が見直されるようになりました。


「固体粒子が分散している安定な懸濁液」という意味が英語でhydrosol(ハイドロゾル)と呼ばれるようになりましたが、他にもフローラルウォーターやエッセンシャルウォーター、ハーブウォーター、芳香蒸留水など様々な名称で親しまれています。 ※ハイドロゾルは花や葉、茎など植物の全体を蒸留した際に出てくる水溶性を指しており、一般的にフローラルウォーターは花の部分のみを蒸留した水溶性と言われています。

少量の精油成分と親水性の高い植物の有効成分が多く含まれるハイドロゾルは、pHレベルのバランスを取りながら肌を明るくしたり、水分の補給や調整し活力を与える事から天然の化粧水やスキンケアクリームとして、またアトピー性皮膚炎の方や肌が弱い子供や高齢者、ペットの治療法としても確立されてきています。 [参照:MADE BY COOPERS] [参照:WildcareLLC]



ハイドロゾルの歴史

歴史的な記録によれば、古代エジプトの女王が植物の香りで男性を魅惑する為に利用されていた事がハイドロゾルの起源であると言われており、まだその頃はハイドロゾルの概念は曖昧だったようです。


また紀元前5000年にはパキスタンでも植物の蒸留が行われていたようで、その際に使われていた原始的な素焼きの蒸留器が発掘されていると言われています。


ハイドロゾルの文化は中東地域から始まった事がとても興味深いですね。


その後、10世紀頃にペルシャ人の医師アビケンナ(Avicenna)によって本格的な蒸留技術が生まれ、その後11世紀には医師イブン・シーナーによって蒸留法が飛躍的に進化しました。


そして13世紀頃にヨーロッパの人々がアラブ人から精油とハイドロゾルの抽出方法を学び、その技術をヨーロッパに持ち帰りました。


この頃、ヨーロッパではバラの大量栽培がはじまり、同時期に確立された水冷却法によってローズウォーター(バラの花びらから抽出したフローラルウォーター)の生産が飛躍的に伸び、16世紀と17世紀にはラベンダーやカモミールなど様々な植物のハイドロゾルが登場し、これらが現代に受け継がれている精油やハイドロゾルの原型と言われています。


18世紀にはハイドロゾルのの絶頂期を迎えますが、19世紀にアロマテラピーが普及した事で精油に需要が生まれ、今まで重宝されていたハイドロゾルの人気は衰退してしまったようです。 尚、20世紀にフランスの科学者Gettifossが実験中に手を火傷した際に、慌てて近くにあったラベンダーウォーターに手を入れた所、火傷の痛みが軽減し、水ぶくれや傷が大幅に軽減されており、傷跡を残さず皮膚を治癒する能力がとても高い事に気づきました。 [参照:Hydrosol DistillerStore] [参照:NAUHIAHERB]



ハイドロゾルの効能やメリット

ハイドロゾルの歴史は“化粧水の歴史”と言われており、古代から肌の保湿効果やピーリング効果、美白効果などのスキンケアとして使用されてきました。


そして現代でもこれらの効果は活用されており、ローズやオレンジブロッサム(ネロリ)、ラベンダーを使ったハイドロゾルは、日焼けや乾燥肌に水分を補給し敏感肌を冷やすのに最適であったり、目の下のくまの治療にはカモミールのハイドロゾルをコットンウールパッドに浸して約10分間覆うだけで劇的に腫れが軽減され、定期的に使用する事でくまが発生しづらくなる効果があります。


また、シャンプーをした後の最後のすすぎでハイドロゾルを使用すると、髪のコンディショニングと輝きに役立ったり、頭皮や髪の栄養補給、脱毛予防、フケやかゆみの防止など頭皮環境にも効果的であると言われています。


そして、ハイドロゾルにはほぼ禁忌事項が無いことも特徴です。


市販されている化粧水等には、防腐剤や化学合成剤などの混ぜ物が含まれている事も多い為、厚生労働省が決めた許容範囲内の配合量であっても、人によっては肌の炎症をもたらしたり、防腐剤が血液中に入り込んでアレルギーを起こす抗体が作られてしまう場合が危惧されており、防腐剤の中でもパラベンと呼ばれる添加物は、皮膚炎の原因や発ガン性の疑いが持たれています。


「防腐剤無添加」と称された商品であっても、代わりにBG(ブチレングリコール)やペンチレングリコールなどの抗菌作用が含まれている保湿剤の場合、それが原因で炎症を起こす可能性があります。

※化粧品で肌にダメージを受けてしまった場合、悪化してしまう前に皮膚科に相談しましょう。そして、重要な事は基礎化粧品からメイク用品に至るまで、肌荒れの原因と思われる化粧品を特定し使用しない事が推奨されています。 化学合成剤にも石油性の物質で合成されたものは肌へダメージを与えてしまうだけでなく、アレルギー症状や発ガン性の疑いが危惧されています。


ハイドロゾルはこのような物質が含まれていないので、防腐剤が含まれた化粧水と比較すると使用期限は短くなってしまいますが、人工的に作られた化学物質などが肌に吸収されてしまうリスクはほぼありえません。 また精油とは異なり、ハイドロゾルに含まれる精油の成分濃度は0.1~0.01%なので、精油だと肌への刺激が強く感じられた方や、赤ちゃんの敏感な肌や、妊娠中は避けなけらばならない植物であっても、フローラルウォーターではほぼ問題なく使用できます。 ※万が一ということもあるので、妊婦の方は医者に相談されることをご推奨します。 尚、天然のハイドロゾルを使用する場合は、人が住んでいる土地で育った新鮮なものを使用される事が推奨されています。 これはその土地の旬な野菜を食べるといいと言われるように、人と同じ場所で育った植物の方が体への親和性が高いと考えられているからです。 [参照:Cocoon center]



どんな事で使用されている?

前述の通り、肌への刺激がほとんどなく、敏感肌の方やお子様から年配の方、そしてペットまで化粧水やヘアケア、身体にも使えます。


夏の時期はコットンウールパッドなどに浸してジップロック等に入れて冷蔵庫で冷やしておけば、汗拭きペーパーとして利用できます。


またソファやベッド・カーテンなど匂いが気になる場所へ抗菌、消臭性の強いハーブのハイドロゾルをスプレーする事で、室内のリフレッシュに役立ちます。


中東諸国では何世紀にもわたって、オレンジブロッサムやローズ等のハイドロゾルが料理の風味付け等として使われているようです。 ※料理で使用される場合は使用するハイドロゾルに防腐剤や添加物が含まれていない調理用を使用して下さい。 精油(エッセンシャルオイル)の価格はとても高価ですが、これはそもそも植物から抽出する事が出来る精油の量が限りなく少ないことが理由になります。

例えばローズの場合、たった1滴の精油を抽出するのに必要な薔薇は40~60本も必要になります。


これに比べて精油の抽出過程の副産物であるハイドロゾルの場合、植物にもよりますが平均的に100mlで1000円程度と手軽に購入できる事も嬉しいですよね。 [参照:DelightedCooking] [参照:QuinencesAromatherapy] [参照:GARDEN STORY]



注意点

ハイドロゾルは精油と比べて保存期間が短く、植物の種類にもよりますが、防腐作用の成分が少ない植物の場合は3か月、長い物で2年程と言われています。


保存期間3ヶ月の物は期間が短い代わりに防腐剤や添加物が含まれていない証拠と考慮出来る反面、期間の長いハイドロゾルには防腐剤や安定剤が添加されている商品も多い可能性が高い事も注意が必要です。


芳香水、アロマウォーターのようなハイドロゾルのニュアンスに似ている商品や、なかにはフローラルウォーターやハーブウォーターという名称で実際中身が異なる商品もあるようなので、購入時は商品表示ラベルに記載されている詳細をしっかり確認したほうがイイかもしれません。


尚、一般的に『薬機法』に基づき化粧水等は「化粧品」に分類されますが、輸入品に関してはハイドロゾルの保存性や安定化の理由でパラベンやフェノール、エトキシエタノールなどの防腐剤が添付されている場合があり、商品の分類が「化粧品」でなく「雑貨」に分類されて販売されている事があります。


「雑貨」として販売されている場合、防腐剤や添加物などを表示する義務がありませんので、肌に使用される場合は特に確認をされた方が良いと思います。


また商品表示ラベルにラテン語の学名を見る事も重要です。学名が記載されていることで、どの植物が抽出されたのか?或いは花や葉や茎のどの箇所を抽出したのか?天然の植物から作られているのか?を確認することができます。


ラテン語の学名で例をあげると


グレープフルーツ(Citrus paradisi) レモン(Citrus limon) ローズマリー(Rosmarinus officinalis) カモミール・ジャーマン(Matricaria chamomilla) サンダルウッド(Santa lum album) イランイラン(Cananga odorata)

などになります。


そして、クオリティの高いハイドロゾルはすべて無農薬や有機栽培で育ったハーブが原料となります。


前述に記載させて頂いた通り、天然のハイドロゾルを利用するのであれば、信頼できる無農薬ハーブ栽培農家から購入したり、自分自身が住んでいる安心した土地で育った植物を原料にした商品を使うことが一番安心だと思います。 [参照:Tea-treeの森]





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