蜜蝋の恩恵
- blueboxantiagingfa
- 2023年10月5日
- 読了時間: 5分
更新日:2023年10月12日

蜜蝋というと黄色い蝋燭が一番イメージが湧きやすいですかね。 ヨーロッパの修道院では昔、教会の蝋燭の原料として養蜂も兼業していたと言われています。
ほのかに甘い香りのする蜜蝋の蝋燭は燃焼時間が長い事や煤が出ないだけでなく、アロマテラピーにも良い効能が期待出来るようです。
それ以外にも化粧品やボディケアの素材、革や家具のワックスなど、様々な形で人の生活と結び付きがある蜜蝋について調べてみました。
CONTENTS
蜜蝋は貴重品
2ハニカム構造の理由
3肌への効果
4アロマキャンドル
5永遠に残る化学物質『PFAS』
蜜蝋は貴重品
ミツバチは蛹から孵化し、色々な業務を経て最終的に外勤蜂として花蜜や花粉の採餌を担当しますが、その業務の途中で巣作りを担当する時期があります。
このミツバチは孵化してから寿命で死ぬまでのちょうど中間位の世代で、人間のイメージでいうと20~30代頃になるのでしょうか。 まさに働き盛りの世代が抜擢される仕事で、大変な労力が必要になる蜜蝋を体内で作り出し、それに酵素を加えながら大あごで20分位こねて柔らかくなった素材にして巣を作っていきます。
私は蜜蝋はミツバチの口から出てきているのだと思っていたのですが、実際は腹部の横にある「蝋腺」から鱗状の蜜蝋を作り出していました。
小さい身体なのに様々な箇所に機能性が盛り込まれていて改めて感心してしまいます。
また蜜蝋はミツバチにとって大変貴重な素材なので、完熟したハチミツを貯蔵する時に使用する蜜蓋も無駄にせず巣作りに再利用しているようです。
ハニカム構造の理由
仮にミツバチのコロニーが分蜂を行って、急遽新しい巣を作る為に大量の蜜蝋が必要になった場合、どうしても巣作り担当のミツバチだけでは完成が間に合いません。 そのような時は引退したはずの高齢のミツバチが加担します。
普段、採餌に従事して蜜蝋生産とは無縁なので蝋腺も衰えているのですが、いざ巣作りが始まると蝋腺が若返りコロニーの住居作りに貢献出来てしまう事にビックリします。。。
また前述にも記載した通り、蜜蝋を作り出すためにはとてつもない労力を有します。
標準的な巣を構築するのに必要な1.2kgの蜜蝋を生産する為には、6万匹のミツバチが一生をかけて生産する量であり、エネルギーを蜜蝋に変換するために7.5kgものハチミツが必要になります。その為、ミツバチは頑丈で保温性がありつつも、いっさいの無駄が省かれた『ハニカム構造』の形状を採用しているのです。
肌への効果
蜜蝋は肌荒れや水分保湿などのスキンケアの材料として幅広く利用されていますが、これは人間だけの悩みではなく、多くの昆虫も同様に乾燥や傷が苦手です。多くの陸生節足動物は「ワックスエステル」という物質を体に塗りこむ事で、体からの水分の蒸発を抑制しています。
このワックスエステルの効果が肌の水分を保ち、蜜蝋に含まれるビタミンAが老化の兆候を引き起こすフリーラジカルから肌を保護し、死んだ皮膚細胞の角質除去を穏やかに促進します。 仕上げに抗菌性と抗炎症性の効果で健康的な素肌へのサイクルを助長する、まさに「美肌へ導く勝利の方程式」の様な代物なのです。
また蜜蝋は非アレルギー性の天然物であり、肌にとても優しいので敏感肌の方でも赤みや炎症などの問題がほぼ無い理由から、食品業界ではキャンディー・フルーツ・ナッツ・コーヒー豆などのコーティング素材としても利用されています。
アロマキャンドル
蜜蝋にはビタミンAやミネラル・酵素・アミノ酸などの多種多様な栄養素のほか、強力な抗菌性と抗炎症性物質が含まれています。 アロマテラピーでは純粋な蜜蝋の蝋燭を灯火すると空気中にこれらの成分が揮発して、呼吸を通じて肺から毛細血管へ入り全身を巡り効果があると言われています。
また、蜜蝋キャンドルを燃焼する事で空気清浄機のように大気汚染物質から粒子を中和する負イオン(マイナスイオン)を放出し、空気中の埃やカビ・臭いなどを排除し、アレルギーや喘息の症状の緩和と呼吸の改善に効果的であるとも言われています。
エッセンシャルオイル(精油)が含まれた蜜蝋のアロマキャンドルを活用する事で心にも身体にも相乗効果が期待出来そうですよね。 ちなみに蜜蝋や大豆・椰子・米糠などの天然系素材を原料とした蝋燭とは違い、原油系素材で作られるパラフィンワックスの蝋燭は灯火すると有害物質のトルエンやベンゼンが発生される危険性があり、喘息やアレルギー、呼吸器官を刺激する可能性があると言われています。健康やリラックスの用途では逆効果になってしまうので使わないようにしましょう。
永遠に残る化学物質『PFAS』
最新の化学技術で作られる化粧品は高価なだけあって素晴らしい効果があることは納得しますが、自然界で分解されない化学物質やフッ素化合物などが含まれている商品をわざわざ毛穴に擦り込みたいとは思いません。。。 農薬を筆頭に、長年に渡って体へ摂取したり、肌などから浸透されている薬や化粧品などにも思わぬ有害物質が蓄積されていた!なんて問題が浮上している昨今ですから、自分や家族、友達を守るため少しでも疑問に感じた事があれば、色々と調べてみる事はイイ事ですよね。 [参照:Chem-Station] [参照:Newsweekjapan] 古代の時代から蜜蝋が持つ天然成分は健康や衛星管理など様々な面で人間の生活をサポートしてくれました。 体重およそ0.09gの小さな体から僅かな量しか作られない貴重な賜物に感謝し、効果的に活用していけたらと思っています。
Comments