top of page

非加熱ハチミツとは

  • blueboxantiagingfa
  • 2023年10月5日
  • 読了時間: 8分

更新日:2023年10月12日


ree


『ハチミツ』と言っても、取り扱っているお店によって値段に大きく差があると思った事はありませんか?1kgで600円と破格なハチミツから、中には1kg6,000円もする高価なハチミツまで様々な商品が流通しています。


価格が異なる理由は「高価なハチミツは栄養が豊富な天然食品であり、安価なものは水飴などでかさ増しされたハチミツもどき」と言った印象があると思いますが、そもそも国産の天然ハチミツの生産量が少ないことや、日本国内でのハチミツに対する基準が他国と比べ曖昧な事で価格の幅が生じています。


人によって用途は様々だと思いますが、健康かつ美味しく食べる事が目的だと思いますので高価なハチミツと安価なハチミツとではいったいどのような点が異なるのか?を認識していきましょう。





CONTENTS







ハチミツの採取方法が異なる

ミツバチが花から集めたばかりの花蜜はそもそも水分を多く含んだ状態の蜜(しょ糖)ですが、巣の中でミツバチ同士が口移しでブドウ糖と果糖に分解しています。


その作業の過程にミツバチが自らの『酵素』をハチミツに含ませ熟成が促されます。 そして更に一生懸命羽を羽ばたかせ水分を飛ばし、花蜜が腐らない状態に仕上げた物が非加熱の天然ハチミツになります。


国内国外問わず、この仕法で採れたハチミツは栄養成分をほぼ損なう事無く、100%天然の古代から食べられてきた由緒正しきハチミツです。


それと比べ、価格の安いハチミツは集めた花蜜を機械を使ってハチミツに仕上げます。

したがって水分を飛ばすために加わるの影響や、酵素を含めるなどミツバチが手間隙かけて良いものを作っている過程が抜けてしまう為、せっかくの栄養成分が大幅に失われてしまうのです。


また、そんな状態のハチミツにコーンシロップなどの人工甘味料や水飴を混ぜた商品もあるわけなので、破格なハチミツが大量に出回っていることも納得が出来ます。


寒い豪雪地や劣悪な環境で暮らしているミツバチの食料としては、このハチミツだとなんだかちょっと心配になってしまいますよね。。。



日本国内の養蜂業の規模が他国と比べ圧倒的に小さい

まず、日本で流通されるハチミツの93%が外国産で占めており、国内生産量はわずか7%だということに驚きました。


その僅かな7%から医薬部外品などの原料に大半が使用されるとなると、食卓で食べられる国産のハチミツは至ってレアな食品であることがわかります。


そして希少で高価な日本のハチミツと、比較的手軽で安価な海外のハチミツの違いは養蜂業の規模が関係している事もわかりました。


日本では現在、養蜂家の数が減少傾向にある事や後継者が中々現れない状況に比べ、外国産は主に中国(71%)やアルゼンチン(11%)といった比較的労働賃金や物価が安い国からの輸入が多く[参照:草地家]世界で流通されているハチミツの輸入量や養蜂業の規模が群を抜いて中国が一番大きい事がわかりました。[参照:人民網]


また、日本への輸出国とは別に世界の生産量を調べた所、トルコやイラン、ウクライナやロシアも養蜂業が活発のようでした。[参照:ハチミツおすすめwiki] 人口数やその国で主に行っている産業、国土の広さや地形等も養蜂業の規模に影響されているのだと思います。



ハチミツが採れる花が減少している

ミツバチを育てていても一年中大量にハチミツが採れるわけではありません。 土地柄や気候によって多少異なりますが、群馬県内で言えば、春と秋の限られた期間に咲く花から花蜜を集めています。


年間を通して花の咲く期間が僅かと限られている中、年々生産が激減しているのは一体何が原因なのでしょうか?


ハチミツと言ったら「アカシア」や「レンゲ」「クローバー」などがポピュラーですが、実はこの植物達はマメ科に属する植物です。


昔農家は農業作物の収穫後は畑にレンゲやクローバーの種を撒いていました。

これはマメ科の植物が大気中の窒素から窒素肥料(緑肥)を作り畑に栄養を与え、健康的な畑を仕上げるというメリットがあったからです。 そして、その過程でレンゲやクローバーの花へミツバチが集まるといった素晴らしい循環サイクルがあったのですが、近代になって安価でよく効く化学肥料が主流になった事や、農産業の衰退が原因で以前よりもレンゲやクローバーが減少したと言われています。


またアカシアもマメ科の植物です。 北アメリカ原産の植物で繁殖力の強さから土砂崩れの防止や河原の土止めの用途等で日本でも多く利用されるようになりました。


しかし、あまりの繁殖力の強さから他の植物への生態系に影響を及ぼす危険性があるとして『要注意外来植物』とみなされ大規模な伐採作業が各地で行われています。


最近は夏の豪雨で川の氾濫が多発した事が原因なのか、利根川沿いの土木工事をよくみかけました。。。 安全を考慮すれば仕方の無いことなのかもしれませんが、アカシアがいっぱい茂っていた景色がブルドーザーで削り取られる様は寂しい気持ちになった事を覚えています。


そして、気候変動もハチミツの生産に大きく影響しています。 アカシアやトチの花が一斉に咲く期間は約2週間ほどで、ミツバチにも養蜂家にとっても1年で一番重要な時期となります。


天気が良く気温が高い時に花は花蜜を大量に分泌するので、この繁忙期は天気次第でハチミツの生産量が大きく左右されます。 昨今の春はゲリラ豪雨や連日止まない雨が多発し、その結果花蜜の量が少なかったり、最悪咲いたばかりの花が雨に落とされてしまっている現状です。


気候変動はハチミツの生産減少はおろかミツバチの存命にも深刻な影響を及ぼします。 そして、間違いなくミツバチが居なくなる事は人の食糧不足に直結します。


自然に負担がかかってしまう農薬問題や気候変動は人類にとって重要な問題であることを今一度向き合う必要があると思います。



非加熱ハチミツの魅力

非加熱ハチミツにはグルコース・フルクトース・酵素やビタミン・ミネラルを筆頭にカルシウム・鉄分・乳酸菌・オリゴ糖・グルコン酸など様々な栄養素や成分が含まれています。


そして、ハチミツに含まれるビタミンの大半が活性型ビタミンでサプリメント等のような不活性型のビタミンと異なり、少量の含有量で効果が得られるようです。


また、ビタミン豊富な野菜も時間の経過に伴いビタミンが減少していくのに対し、ハチミツに含まれるビタミンは酵素の効果もあり長期保存していても減少しずらい利点があるようです。


しかし、ビタミンに含まれるビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ナイアシン・アスコルビン酸・パントテン酸などの要素の中には耐熱に弱いものがあり、40度以上の熱を加えると徐々に栄養素が崩壊しはじめ60度を超えるとほぼ壊滅してしまうとよく聞きます。


インドの伝統医学の『アーユルヴェーダ』では非加熱ハチミツを100度で30分間加熱をしてしまうと動脈硬化や皮膚のしわなどの老化現象をもたらしてしまう糖化最終化合物『AGEs』が8倍以上に増えてしまうことから、健康上の理由で「熱い食品と混ぜ合わせない」「香辛料が効いた食物やウイスキー・ラム・ブランデーのような発酵飲料、ギーやマスタードと決して混ぜ合わせない」「身体が熱を帯びている状態で食してはいけない」とも言われています。


美容と健康の目的が逆効果にならないよう、熱い飲み物や食品に使用する場合は体温以内の温度に冷ましてからにしたり、出来る限り常温で楽しんだ方が良いかもしれませんね。


また、非加熱ハチミツは酵素が生きているので消化に負担をかけず体内の最も深い組織まで浸透する特性があるようです。 この利点からアーユルヴェーダではターメリックやシナモン、ハーブ等と一緒に摂取し薬効成分を高める活用法を行っています。








本物のハチミツを選びましょう

ハチミツといっても大きく分けて「非加熱ハチミツ」「加熱ハチミツ」「加糖ハチミツ」の異なった製法の商品が市場に流通しています。


冒頭で記述したように健康かつ美味しく食べる事を目的としてハチミツを選ぶのであれば、非加熱ハチミツ以外は出来る限り避けたほうが良いかなと思います。


しかし、個人的にはちょっとそこがややこしい感じがして、詳しい知識が無いと求めている質のハチミツを商品の見た目やラベル表示の詳細だけでは見つける事が難しい人もいるんじゃないのかな?と思いました。


これはドイツやヨーロッパ諸国などは厳しい基準があり、非加熱ハチミツとそれ以外を明確に区分し販売されている事や、国民の非加熱ハチミツに対する認識が濃いのに対し、日本における規格はまだまだ曖昧で「はちみつ」ではなくて「はちみつ類」として扱われている事が消費者に対しあやふやにさせているのだと思います。


本物のハチミツが高価であることは仕方がないことではありますが、べらぼうに高くなくてもしっかり栄養豊富な天然ハチミツは販売されています。


非加熱ハチミツに対する知識が増えれば、自身にあったお気に入りのハチミツを見つけられると思いますので、健康も美味しさも楽しめるハチミツライフをばっちり送ってください。 [参照:あすぷろブログ] [参照:みつばちのーと] [参照:農林水産省 生産局 畜産部]

コメント


bottom of page