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ポリネーター(送粉者)の必要性

  • blueboxantiagingfa
  • 2023年10月5日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年10月12日



健康維持のための食事バランスは、エネルギーの元となる穀物類体を作る元となる肉や豆などのたんぱく質体の調子を整える野菜や果物等のビタミンに大きく分けられると思います。

その中でも体の機能を正常に維持し、病気から守る為に必要なビタミンやミネラルは野菜や果物等が主な役割を果たしています。

そして、米や小麦、とうもろこしなどの穀物と違い野菜や果物は自らの力で受粉することが難しい種類が多々あります。




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「風媒花」と「虫媒花」の違い

イネ科の植物は主に”風”の力を頼って花粉の媒介(風媒)を行います。 風が吹いた時に効率よく広範囲へ行き渡らせる様に花粉の重量が軽く小型に進化しており、花のデザインは至ってシンプルで地味な傾向があります。


対照的に花が色鮮やかで美しく派手であったり、良い香りや甘い蜜を分泌して昆虫を引き寄せ花粉を媒介させる植物が虫媒花になります。


この他にも鳥に媒介させる「鳥媒花」や水の流れを利用する「水媒花」、コウモリの力に頼る「獣媒花」。中にはカタツムリやナメクジに受粉を手伝って貰う「蝸牛媒花」など多種多様です。


植物は遺伝子を拡散する為に動物や自然の力からの受粉活動が必須です。なんとしても動物や昆虫に集まって貰うために魅力に工夫を凝らした結果が綺麗な花の姿だと思うと、とても面白いですよね。



救世主「ポリネーター」

花粉を雌性器官まで運び、花粉の雄性配偶子と花の胚珠を受精させる動物のことを送粉者(ポリネーター)と呼ばれ、最もポピュラーな送粉者はミツバチ等のハナバチ類の昆虫です。 ハナバチ類の体は毛で覆われており、その体が帯電し花粉を付着させたり、後肢についている花粉籠が効率的に大量の花粉を集めやすくなってたりと、体の構造に花粉集めに特化した仕組みが多々あります


ハナバチが花から花へと花粉を集め運ぶ特徴と、植物側も花粉を運んで欲しい願望が幸いにも適応しお互いにとってwin&winな関係が保たれています。


送粉者にはこの他にも蟻や蝶、蛾、カメムシや虻などの昆虫も担っており、近年減少しているミツバチの代用として「ヒロズキンバエ(ビーフライ)」というハエが注目されているようです。


ミツバチやマルハナバチと比べ、天候や温度差等の影響をあまり受けずに作業をこなす事や人を刺すことが無いので安心というメリットがあるようです。



ポリネーターの経済価値

世界的に見ると食料生産における何らかの形で、農作物の7割以上が動物によって行われる受粉に依存されており、それに対する農業生産の貢献は1520億ユーロ(2005年時点)に達すると言われていました。


そして日本生態学会誌が「送粉者」によって日本国内の農業にもたらす利益(送粉サービス)の経済価値を推定した所、2013年時点での総額が約4,700億円であり、日本の耕種農業産出額の8.3%分に相当すると言われており、その内訳は飼育されている西洋ミツバチ(約1,000億円)とマルハナバチ(53億円)。

そして、残りの3,300億円もの収益は野生に生存している送粉者達によって齎されていたのです。


金額を見れば一目瞭然、飼育されている送粉昆虫と比べ圧倒的に野生に生息する昆虫からの恩恵が高い事がわかると思います。

果物やキャベツ・大根・ブロッコリー・かぼちゃなど「虫媒花」の作物は、野生の送粉者達が大きく実らせる”おまじない”をしてくれたお陰で、私たちが美味しく食べれるという事ですよね。


「減反政策」の影響も然ることながら、今後より米の生産を減らして他の作物へシフトチェンジをしていくのであれば「送粉者」による送粉サービスへの依存度が更に増加するという事になります。


世界中でミツバチが減少している問題に関心が持たれている中、逆に例をあげれば太陽光パネル設置で山を削り、森林伐採している様をよく見受けます。。。 もちろん人の生活にエネルギーは必要な事はわかりますが、個人の利益が絡む事で未来にあるべき『何か』が簡単に失われそうな気がしてなりません。



目先の利益よりも未来への投資

ミツバチ等の送粉者が減少してしまう事は、間違いなく農業生産量の減少に比例する事がよくわかりました。仮に送粉者がいなくなり、代わりに人がやるとしても現状は限界がありますよね。小さくなれないし、飛ぶことも出来ないので。。。


運悪く、花粉交配用のミツバチを注文出来なかったスイカ農家さんが地面を匍匐前進しながら、一つ一つの花にストローを使って人工受粉をさせていて、とても大変だったという話を聞いたことがあります。 AIやドローンを駆使して受粉を行う技術の開発も進められていると聞きますが、出来る事ならこれからも変わらずに送粉動物にお願いしたいし、個人的にはハエよりもミツバチがイイです(笑)。


また、世界の人口が80億人を超えようとしてる現代で人が未来の為に最優先すべき事は、わざわざ自然をぶっ壊してまでやるような事ではない気がします。





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