ローズマリーの効果
- blueboxantiagingfa
- 2023年10月4日
- 読了時間: 10分
更新日:2023年10月12日

日本でもポピュラーなハーブの1つに『ローズマリー』が当てはまると思いますが、みなさんはどのように利用されてますか?
私はアロマオイルにして焚くだけでなく、お風呂に入れてみたり、紅茶に入れてみたり、葉を塩漬けにしてスープや炒め物などに活用しています。
栽培に至って特にケアする必要もなく毎年元気に育つローズマリーになんだか親近感が湧き、挿し木を増やして精油(エッセンシャルオイル)やハーブウォーターを作ってみたところ、ローズマリーの利便性を更に実感したので共有しますね。
CONTENTS
ローズマリーとは?
ローズマリーは、地中海沿岸地方が原産のシソ科ハーブ科に属され、葉に爽快で力強い香りのある常緑性低木で、原産地が地中海沿岸地方ということもあって比較的塩害にも強く、暑く乾燥した気候を好み、その上耐寒性にも強く、気温が0度まで下がっても丈夫に育つ多年草なので、年間を通していつでも収穫が可能な便利な植物です。
また清々しい香りが頭がスッキリさせて心地良い反面、Camphora(カンファー)という成分を多く含んでいる事もあり、蚊などの防虫効果に役立ちます。
ローズマリーは古代の時代から消臭剤や空気清浄として利用される以外にも、化粧品や料理の臭み消しや香りづけ、ハーブティーなど幅広い用途で人々の暮らしに利用されてきました。
興味深い昔話があって、ローズマリーは紀元前4~5世紀頃の古代ギリシャでは『記憶や思い出の象徴』とされ、"記憶を改善する"と信じられていたため学生たちはローズマリーの花輪を頭にかぶって勉強していたという話や、ヨーロッパ地方でペスト菌が大流行した際に泥棒たちは亡くなった人々の金品を盗んでいたが、セージやタイム・ローズマリー・ラベンダーなどを酢に浸した薬を塗っていた為ペストの感染を免れたという話、病気を寄せ付けない為に病院などの建物の出入り口や床にローズマリーの枝を散りばめていたり、有害な細菌を除去するためお香にして焚いていたという話、70歳を過ぎるハンガリーの王妃がローズマリーとライムをアルコールに漬けて抽出した治療水(ハンガリー王妃の水)を使ったところ、若返りと健康を取り戻す事が出来て20代のポーランド王子様からプロポーズを受けたといった話です。
ローズマリーをはじめとする植物が持つリフレッシュ効果や抗菌・抗真菌、アンチエイジング効果が昔から現代まで変わらずに受け継がれていると思うと、自然の力の偉大さを感じさせられますね。
リフレッシュ効果
ローズマリーやペパーミントは人の中枢神経系に刺激効果をもたらす認知刺激剤と考えられており、記憶力の向上に役立ち、知性や集中力、覚醒などの正確かつ迅速なパフォーマンスの向上性を高めると言われてます。
そして落ち込んだ気分の改善や倦怠感を和らげ、慢性的な不安やストレスを軽減させること、食欲を刺激しさせる事でも知られています。
ある研究ではローズマリーの精油(エッセンシャルオイル)に含まれる成分『シネオール』が人の認知能力と気分にどのような影響を及ぼすのか?を、アルツハイマー病に苦しんでいた高齢者を対象に実験した所、ローズマリーの精油を吸入後の血圧、心拍数、呼吸数に有意な増加が確認出来て、タスクパフォーマンスの速度と精度の向上に貢献していると示されました。
また脳波(EEG:electroencephalogram)を分析した所、a(アルファ)波のパワーの低下し、脳の前部領域でβ(ベータ)波の増加しており、これは脳波や自律神経系の活動、気分の改善がローズマリーの精油を吸入する事によって刺激効果の影響を受けているという証拠になりました。
尚、ローズマリー、ラベンダー、カモミールの蒸気をそれぞれ室内に分けて充満させた所、明らかにローズマリーの蒸気によってテスト犬の覚醒レベルが高まり、ラベンダー、カモミールと比べて立ったり動き回る頻度が多く、気分を高める生物活性成分を含んでいることが発見されたようです。
抗菌・抗真菌効果
老化や癌・虚血・動脈硬化などの多くの病気は、食事にまつわる脂質の酸化が起因される問題となっています。
ローズマリーは生物活性にプラスの効果がある理由で、昔から動物性食品や食用油などに対しても抗菌、抗真菌、抗酸化作用の重要な役割を果たしており、現代でも食品や薬品、化粧品等に使用されています。
ローズマリーは"シネオール"や"ウルソール酸"を含む抗酸化物質と抗炎症化合物の豊富な供給源であり、血液循環の改善や免疫システムを高め、服用だけでなく外用としても効果がある事のでスキンケアとしても活用出来ます。
ちなみに世界各国でも地域の気候や、品種の影響もあってかチュニジアのローズマリー精油の中がシネオールとカンフル(樟脳)の含有量が多いと言われてます。
そしてローズマリーは細菌感染に対しても特に強力な殺菌効果があります。
ローズマリー精油を保湿剤やオイルで希釈して外用することで、ニキビや湿疹、皮膚の炎症などの皮膚病に対しバクテリアを殺しながら肌に潤いと栄養を与えて補修します。
また"カルバクロール"や"γ-テルピネン"などの成分が『人食いバクテリア』と言われる黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)やリステリア菌、セレウス菌、サルモネラ菌などに対して強力に阻害する事も確認されています。
※精油は植物の香り成分を凝縮したものになります。濃度が高いまま使用すると肌荒れの原因となりますので、薄く希釈して試す事をオススメします。
尚、食品に対してもローズマリー精油はさまざまな用途があり、酸化を抑える事でカロテノイドの色損失を低減させたり、油脂の自動酸化によるヒドロペルオキシドの形成を阻害することが研究で確認されています。
その他にもフランクフルトソーセージなどの肉パテ食品のタンパク質酸化と変色を抑制し保護する効果や、フライドポテトが含むアクリルアミド形成を減少させたりと、ローズマリー精油が様々な食品の腐敗に関与するバクテリアの成長を抑制することが発表されています。
尚、肉食品にローズマリー精油と一緒に強い抗酸化性作用のあるトコフェロール(ビタミンE)を添加し、抗酸化効果の相乗効果を研究したところ、特に効果を高める事は出来なかったようです。
加工食品などに添加される化学防腐剤が、人に対して多くの発癌性や催奇形性、残留毒性などの原因として現在大きく問題視されています。
そんな中、植物由来のポリフェノールを多く含み、毒性が無いローズマリー精油を使って食べても問題なく、菌を抑制出来るゼラチンフィルムやコーティングなどの包装開発も進められているようです。
アンチエイジング効果
ローズマリーは昔から筋肉痛の緩和や記憶の改善、免疫や循環器の向上、毛髪の成長促進以外にも、葉の浸出液は薬用として、服用の場合は強壮剤や収れん剤などに利用され、リウマチや外傷には外用として患部に塗るなど重宝な薬草として活用されてきました。
当時から若返りのハーブとして人気がありましたが、近年ローズマリーから強力な抗酸化成分である“ロスマリン酸”を含有していることが発見されたことで、アンチエイジング効果が再認識されており、ローズマリーが持つ豊富な抗酸化物質や栄養素が、太陽の紫外線やフリーラジカル等の影響によって引き起こされる皮膚の損傷や、皮膚細胞老化の原因になる有害な粒子を中和するのに重要な役割を果たすと現代の研究でも報告されています。
また、ドイツではローズマリーに含まれる“シネオール”は血行の促進作用が認められており、血行不良の補助治療薬として用いられています。
尚、体内の血行を促すことが発毛促進効果にも期待されており、強壮作用も相まって髪の成長を促進し、白髪や薄毛・脱毛、フケや頭皮の乾燥などのケアに有効であると言われており、昔からローズマリー精油とオリーブオイルを温めマッサージに使われていることが知られています。
そして、肌や喉などの気管支の治療だけでなく、アルツハイマーや脳梗塞、脳卒中、虚血など脳内のフリーラジカルによる損傷を防ぐ『カルノシン酸』と呼ばれる成分が含まれており、研究ではローズマリー精油の香りが、フリーラジカル捕捉活性を高め、コルチゾールレベルを低下させることにより、平均年齢75歳の高齢者達の記憶の速度、エピソード記憶と作業記憶の両方から効果的に情報を取り戻すためのパフォーマンスを改善しました。
それ以外にもローズマリーに含まれる『ジテルペン』にはニューロンの死を阻害することが期待されており、アルツハイマー病を治療する際の治療の可能性を示しており、中年の試験用ネズミにローズマリー抽出物を12週間処方したところ、空間記憶と細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素(SOD)などの抗酸化剤の活性が増加結果が出てます。
このようにローズマリーを上手く活用することで神経組織の情報伝達もケアし、体だけでなく脳内に関しても改善することができると言われているのです。
ちなみにローズマリーは花の色が異なっていたり、直立型や匍匐型などの多様な種類がありますが、基本的にどの種類であっても薬の効果はほぼ同様みたいです。
飲食効果
ローズマリーは単に抗菌やアンチエイジング効果だけでなく、古くから様々な料理や飲み物にも利用されて来ました。
チキンやポーク、ラム、魚などのグリルやスープやシチューだけでなく、じゃがいもやトマト、豆、サラダなどの野菜料理にも食欲をそそる良い香りを与えてくれます。
また個人的にはローズマリーをパンやクッキーの生地に混ぜたり、ローズマリーを塩漬けにしておき、炒めものなどに入れて風味を楽しんでいます。
ローズマリーはその味と香りだけでなく、カルシウム、鉄、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB-6、葉酸などの優れた供給源でもあり、体の代謝に欠かせない”マンガン”も多く含んでいます。 マンガンは傷口を止血するための血栓の形成を助けたり、怪我をより早く治す為に役立つ栄養素です。
またビタミンやミネラルとは異なりますが、体の全体的な健康を維持する『植物化学物質』も豊富である事が知られています。
美味しくローズマリーを食する事で、消化不良や胸焼け、腸内ガス、胃のけいれん、腹部膨満、便秘、肝臓や胆嚢の不調、食欲不振などさまざまな胃腸の不調を和らげるために有効であると言われています。
料理や飲み物でローズマリーを利用するのであれば比較的少量で楽しめるので、自分に合った料理などで活用出来たら良いですよね。 [参照:PMC]
副作用
食べても塗っても体の健康に有効的なローズマリーですが、大量に摂取してしまうと、嘔吐やけいれん、昏睡、肺水腫などの深刻な副作用が起こる危険性もあるようです。
調理で利用する場合も、ローズマリー精油で利用する場合でも、まずは低用量から自分に合う分量を決めたほうが良いかもしれませんね。
悲しいことですが、現代の社会では人へのメンタルヘルスに悪影響を及ぼす要因が沢山あって、成人へのアルツハイマー症例が増えていると言われています。
こんなご時世だからこそ、リフレッシュやストレス解消の1つの要素として昔から活用されてきた『自然の力』をふんだんに楽しんでみてはいかがしょうか?
自分自身も自家製ローズマリー精油の香りを嗅いだ時は、ギュンギュンに凝縮された植物のパワーを感じられた気がしてちょっと感動してしまいました(笑)。
人の体の大半は自然の力によって育まれているのだからこそ、より自然の力に歩み寄って共生を改めて考える素敵な機会になるかもしれませんよね。
Comments